村上春樹 パン屋再襲撃とは

パン屋再襲撃

村上春樹の短編小説の代表作ですが、

読めば読むほど味のある作品です。

 

我々は実際には何ひとつとして選択していないのだ

そうせざるを得ない何かの衝動に駆られているだけだ

 

ある夜に急な空腹に襲われ

妻にパン屋襲撃の話をしてしまったことにより

再襲撃は始まった。

 

夜中にパン屋を探し回るがパン屋なんてどこにもない

しかし妻はここよと車を止めた。

 

僕が「パン屋なんてどこにあるのか」と尋ねると

妻は「ここよ」と マクドナルドを指している

 

世の中には妥協が必要なの」と妻が答える

私は散弾銃を受け取り店内に入る。

 

店長は「お金なら渡します」というが妻は全く聞く耳を持たず

シャッターを閉め看板の明かりを消すことを求めます。

 

その後 ビックマックを30個テイクアウトで」と要望を唱える

 

お店の女の子は 「どうしてそんなことをしなくちゃいけないのですか」

「お金を持って逃げて好きなものを買えばいいのに」

全くその通りだ

 

お金がないわけではない

その証拠にラージカップのコーラはお代をちゃんと払っている

妻は「パン以外はなにも取る気はないの」と呟く

 

30分ばかり車を走らせ

僕は6個・妻は4個のビックマックを貪る

まだ20個のビックマック

 

僕は尋ねる 「こんなことをほんとにする必要があったのだろうか」

妻は答える 「もちろんよ」

 

僕と妻は何か過去のトラウマやそうしなくてはいけない何かに突き動かされたのか

パン屋を襲うでの不完全燃焼・何かを損なってしまったのか

読む人による考察が村上春樹作品の醍醐味である